1. 遺産相続とは?
遺産相続とは、亡くなった方(被相続人)の財産や権利・義務を、法律で定められた相続人や特定の人に引き継ぐことです。相続財産には、現金や預貯金、不動産、株式、自動車、家財家具などのプラスの財産だけでなく、借金やローン、未納の税金などのマイナスの財産も含まれます。
2. 相続人の確認
相続が発生した際、まず「誰が相続人になるのか」を確認する必要があります。日本の民法では、法定相続人の範囲と相続順位が決められています。配偶者は常に法定相続人であり、子どもが第一順位、親が第二順位、兄弟姉妹が第三順位となります。
3. 相続の手続きの流れ
遺産相続の手続きは、被相続人の死亡と同時に始まります。一般的な手続きの流れは以下の通りです:
- 死亡届の提出(7日以内):死亡診断書を添付し、市区町村役場に提出します。
- 遺言書の調査:遺言書があるかどうかを確認します。遺言書があれば、家庭裁判所で検認手続きを行います。
- 相続人の調査:法定相続人を確認し、相続人全員に連絡します。
- 相続財産の調査:プラスの財産とマイナスの財産を調査・確定します。
- 相続放棄や限定承認の判断(3ヶ月以内):相続を放棄する場合、家庭裁判所に申立てを行います。
- 準確定申告(4ヶ月以内):被相続人の所得税の確定申告を行います。
- 遺産分割協議:相続人全員で遺産分割について協議し、合意を得ます。
- 相続税の申告(10ヶ月以内):相続税の申告と納税を行います。
- 財産の名義変更:不動産や預貯金などの名義変更手続きを行います。
4. 遺言の役割
遺言は、被相続人が生前に自分の財産の分配について意思を示すための文書です。遺言書がある場合、法定相続分ではなく、遺言に従って遺産が分配されます。ただし、遺留分(法定相続人が最低限受け取る権利)は侵害できません。
5. 相続財産の範囲
相続財産には、現金、預貯金、不動産、株式、車、貴金属などの資産だけでなく、借金、ローン、未払い金などの負債も含まれます。相続財産にならないものとしては、墓地や仏壇、香典、葬儀費用などがあります。
まとめ
遺産相続は、多くの手続きと法律知識を要する複雑なプロセスです。初めての相続では、専門家の助言を受けながら進めることをお勧めします。正確な情報と計画的な対応が、スムーズな相続手続きを実現します。